【この記事の結論】
眉のたるみは、加齢による皮膚のハリ低下や、目の周りの筋肉の衰え・硬直、生活習慣などが原因で起こります。
これにより、老け見えや疲れ顔にみえるだけでなく、時には視界への影響も引き起こします。
しかし、諦める必要はありません。
表情筋トレーニング、マッサージ、正しいスキンケア、生活習慣の見直しといった日々のセルフケアにより、予防・改善を図れます。
セルフケアを続けても十分な効果を得られない場合、信頼できる医療機関での美容医療を検討するのも選択肢の1つです。
美容医療には、HIFUや糸リフト、眉下リフト手術、注入治療など、さまざまな方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
この記事では、皮膚科・形成外科専門医の監修のもと、眉のたるみの原因から具体的な対策、各治療法のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
ふと鏡を見たとき、「なんだか最近、目元が重たく見える」「疲れてもいないのに疲れ顔…?」そんな風に感じたことはありませんか?
もしかしたら、それ “眉のたるみ” が原因かもしれません。
眉のたるみは30〜50代の方に多く見られ、そのまま放置すると、老け顔になったり、視界が狭くなったりするなどのリスクがあります。
しかし、たるんだからといって諦める必要はありません。
適切なケアをすれば、眉のたるみは予防・改善が可能です。
本記事では、皮膚科・形成外科の専門医監修のもと、セルフケアから美容医療まで「眉のたるみ」について徹底的に解説します。
今日からはじめられる対策も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
1. 眉のたるみとは?原因と症状を知ろう
「眉のたるみ」とは、眉の位置が以前よりも下がってきてしまう状態のことです。
まぶたのたるみ(眼瞼下垂)と混同されがちですが、眉毛そのものの位置が下がる、あるいは眉周りの皮膚がたるむことで、目元全体が重たい印象になります。
ここでは、なぜ眉がたるんでしまうのか、その原因と、たるみによってどのような変化が現れるのかを解説します。
1.1 加齢による皮膚のハリ低下と眉のたるみ
お肌のハリや弾力を支えているのは、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンといった線維成分です。
これらの成分は、年齢とともに質が低下し、量も減少していきます。
また、紫外線は真皮層にまで到達すると、コラーゲンやエラスチンを変性・破壊するため、肌の老化を促進する大きな要因です。
肌の老化により、皮膚のハリが失われると、重力に抗う力が弱まるため、眉を支えきれずに徐々に下がってきてしまいます。
1.2 筋肉の衰え・硬直が引き起こす眉の位置低下
眉の位置は、複数の筋肉のバランスによって決まります。眉の位置を決めている代表的な筋肉は主に次のとおりです。
- 前頭筋(ぜんとうきん)
- 眼輪筋(がんりんきん)
- 目の周囲にある筋肉で目を閉じたり、眉を引き下げたりする役割を持つ
- 皺眉筋(すうびきん)
これらの筋肉が加齢で衰えたり、長時間のデスクワークやスマホの使用などで硬直したりすると筋肉のバランスが崩れて、眉が本来の位置よりも下がると考えられています。
1.3 その他の原因(生活習慣・眼精疲労・遺伝的要因など)
加齢や筋肉の問題以外にも、眉のたるみが進行する原因は日常生活に多く潜んでいます。
代表的な原因は次の4つです。
- 生活習慣
- 紫外線対策の不足や喫煙(血行不良や活性酸素増加を招く)、睡眠不足(肌の修復機能低下)、栄養バランスの偏り(タンパク質やビタミンの不足)などは、肌の老化を早めるため、たるみの原因となります。
猫背やうつむき姿勢も、顔全体の皮膚や筋肉に影響を与える可能性が高いです。
- 眼精疲労
- パソコン・スマホの見過ぎや度の合わない眼鏡・コンタクトレンズの使用は、目の周りの筋肉に負担をかけ、緊張や血行不良を引き起こします。
これが慢性化すると、眉周りの筋肉の硬直につながります。
- 遺伝的要因
- 皮膚の厚さや質、骨格、筋肉のつき方など、遺伝的な要素も無視できません。
ご両親が比較的若いうちからたるみが目立っていた場合、ご自身もその傾向を受け継いでいる可能性があります。
- 急激な体重減少
- 短期間で大幅に体重が変動すると、皮膚がその変化に対応しきれず、たるみとして現れるリスクがあります。
これらの要因が複雑に絡み合い、時間をかけて眉のたるみが進行していきます。
1.4 眉のたるみによる影響・見た目の変化(老け見え・視界への影響)
眉がたるむと、見た目の印象だけでなく、機能的な問題が生じることもあります。
- 老け見え・疲れ顔・不機嫌そうな印象
- 眉の位置が下がると、目と眉の間隔が狭まるため、目元全体が重くなり、くぼんだ印象になります。
その結果、「疲れて見える」「年齢より老けて見える」「なんだか怒っているように見える」など、ネガティブな印象につながりやすいです。
- 二重幅の変化
- たるみが進行すると、上まぶたの皮膚が黒目の上部に覆いかぶさるようになるため、「視界の上の方が狭くなった」「物が見えにくくなった」と感じることがあります。
また、無意識のうちに眉を上げて物を見ようとするため、おでこの横ジワが深く刻まれる原因にもなります。
- 頭痛や肩こり
- 常におでこの筋肉を使って眉を上げようとするため、筋肉が慢性的に緊張し、頭痛や肩こりを引き起こすケースも少なくありません。
このように、眉のたるみは単なる美容上の問題だけでなく、生活の質に影響を及ぼす可能性があるため、早めの対策が重要です。
2. 眉のたるみをセルフケアで改善・予防する方法
日々のセルフケアで、眉のたるみを改善したり、予防したりできます。そのため、「もうたるんでしまったから…」といって諦める必要はありません。
ここでは、自宅で手軽にはじめられるセルフケアケア方法についてご紹介します。
2.1 眉まわりの表情筋トレーニング・ストレッチ
眉のたるみを改善・予防するには、眉まわりの筋肉を意識的に動かして、柔軟性を保つことが大切です。
ここでは、眉まわりの表情筋トレーニング・ストレッチの方法についてご紹介します。
眉上げエクササイズ(前頭筋トレーニング)
- 眉毛を両手でしっかりと押さえて、おでこにしわができないようにします。
押さえた手の力に逆らって、眉毛を上げるように力をいれます。
ただし、実際に眉毛をあげるとシワが悪化するため、眉毛をしっかりと押さえることがポイントです。
- 眉に力を入れた状態で5秒キープした後、ゆっくりと元の位置に戻します。
- これを10回ほど繰り返します。エクササイズの際は「眉を持ち上げる筋肉を使っている」という意識を持つとよいです。
眉間・眉頭ほぐし(皺眉筋などのリラックス)
- 人差し指と中指の腹を使い、眉間のあたりを小さな円を描くように優しくマッサージします。
- 眉頭の下にある骨のくぼみあたりを、指の腹で心地よいと感じる程度の圧で5秒ほど静かに押さえます。
- これを数回繰り返すことで、無意識に力が入りやすい眉間の筋肉をリラックスさせられます。
表情筋のトレーニング・ストレッチをする際に押さえておくべきポイントは次の2つです。
- やりすぎや力の入れすぎは、逆にシワや皮膚を傷める原因となるため、優しく、気持ち良いと感じる範囲で行いましょう。
- トレーニングやストレッチは、毎日続けることが大切です。
なお、行うタイミングは血行が良くなっているお風呂上がりをおすすめします。
2.2 眉のたるみに効くマッサージ法(眼輪筋ほぐしなど)
目元や眉まわりの筋肉は日常生活の中で緊張しやすいため、そのままにしておくと血流が悪くなり、眉がたるむ原因となります。
そこで効果的なのが、眼輪筋をはじめとする眉まわりの筋肉をやさしくほぐすマッサージです。正しい方法でマッサージすることで、筋肉のコリをほぐして血行を促進し、眉のたるみ対策につなげられます。
ここでは、ご自宅で手軽にできるマッサージ法をご紹介します。
眼輪筋マッサージ
- 人差し指、中指の腹を揃え、目の下にある骨の縁の下、頬のお肉を10回ほど指でもみます。
- 次に、眉下の骨の縁に沿って、目頭を数回やさしく押します。この際、眉頭の下にある眼輪筋の血管を意識して刺激しましょう。その後、目尻に向かって眉下の骨の縁に沿って優しくなでるように指を滑らせます。
- 最後に、こめかみを指の腹でクルクルと優しくマッサージします。
- これを3〜5回繰り返します。なお、マッサージする際は「優しくなでる」程度に留めておくことが大切です。
側頭筋マッサージ
- 耳の上あたり、こめかみの少し後ろにある側頭筋(噛みしめると少し動く部分)に、手のひらの付け根あたりを当てます。
- 心地よい圧を感じながら、ゆっくりと円を描くように、あるいはやや引き上げるようにマッサージします。
- 側頭筋の表層にある浅筋膜は 頬外側の浅筋膜とつながっています。
そのため、この部位の血流があがると、リフトアップ効果が期待できます。
眼輪筋ほぐしなどのマッサージをする際の注意点は大きく分けて次の2つです。
- マッサージは「痛気持ちいい」ではなく「気持ちいい」と感じる程度の力加減で行い、もし痛みを感じる場合は、力を弱めるか中止しましょう。
- 摩擦は肌への負担となり、たるみを悪化させる可能性もあるため、マッサージをする際は必ずクリームやオイルなどを十分に塗布し、滑りを良くしてから行いましょう。
また、皮膚を強く引っ張らないように注意してください。
2.3 スキンケア&生活習慣の見直し(保湿・睡眠・食生活)
眉のたるみを防ぎ、健やかな目元を保つためには、日々のスキンケアや生活習慣の見直しが欠かせません。
ここでは、毎日の生活の中で意識しておくべきポイントについてご紹介します。
- 保湿ケア
- 肌の乾燥はバリア機能の低下を招き、あらゆる肌トラブル、そしてハリ低下の原因になります。
洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給し、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどが配合された美容液やクリームでしっかりと保湿し、水分が蒸発しないように蓋をしましょう。
特に乾燥しやすい目元や額は、アイクリームなどを使って念入りにケアするとよいです。
- 紫外線対策
- 紫外線は、季節や天候に関わらず1年中降り注いでいます。
日焼け止めを毎日塗る習慣をつけるだけでなく、帽子や日傘、サングラスなども併用して、徹底的に肌を守りましょう。
- 質の高い睡眠
- 睡眠中には成長ホルモンが分泌され、日中に受けた肌ダメージの修復やターンオーバーが促進されます。
ただし、長く寝るだけでは意味がありません。
寝る前のカフェインやアルコール摂取を控える、スマートフォンを見ないようにするなどして、睡眠の質を高めることも大切です。
- バランスの取れた食生活
- 美しい肌は内側から作られます。
皮膚の材料となるタンパク質、コラーゲンの生成を助けるビタミンC、肌のターンオーバーを整えるビタミンA、抗酸化作用のあるビタミンEなどを意識的に摂取しましょう。
また、腸内環境を整えることも美肌に繋がります。
そのため、加工食品や糖質の摂りすぎには注意し、バランスの良い食事を心がけてください。
- 姿勢の改善
- 長時間うつむいた姿勢は、首や肩への負担だけでなく、顔全体のたるみにもつながると考えられています。
デスクワーク中はモニターの高さを調整する、スマホは目線の高さで見るように意識するなどして、日頃から正しい姿勢を心がけましょう。
- 眼精疲労のケア
- 意識的に目を休ませる時間を作りましょう。
1時間に1回程度は遠くの景色を見る、蒸しタオルで目元を温めて血行を促進するなど、目の疲れを溜め込まない工夫が大切です。
これらの地道なケアをコツコツと続けることで、眉のたるみの改善・予防につなげられます。
3. 眉のたるみに効果的な美容医療・サロン施術
「セルフケアでの改善に限界がある」「よりはっきりと効果を実感したい」という場合、美容医療の力を借りるのも1つの手段です。
ただし、美容医療には必ずメリットとデメリット(リスク・副作用・ダウンタイムなど)が存在します。
治療を受ける前には、信頼できる医療機関で経験豊富な医師によるカウンセリングを受け、内容を十分に理解・納得した上で判断することが大切です。
ここでは、眉のたるみ治療に用いられる代表的な美容医療の特徴と効果、注意点について解説します。
3.1 切開による眉下リフト手術とは(方法と効果・ダウンタイム・リスク)
眉下リフト(眉下切開法、上眼瞼リフト)は、眉毛のすぐ下のラインに沿って皮膚を切開し、たるんで余っている皮膚や、場合によってはその下の脂肪を切除して縫合する外科手術です。
目元の印象を大きく変えずに、自然な若返り効果を得たい方におすすめです。
- 効果・メリット
- たるんだ皮膚を直接的に除去するため、上まぶたの重みが取れて目が開きやすくなり、本来の二重ラインがはっきりする、視界が広がるなどの効果が期待できます。
また、眉毛直下を切開するため、傷跡が眉毛に隠れて比較的目立ちにくいというメリットがあります。
- ダウンタイム
- 切開を伴うため、相応のダウンタイムが必要です。
術後の腫れや内出血は、通常1〜2週間程度で目立たなくなりますが、完全に落ち着くまでには1〜3ヶ月程度かかります。
抜糸は術後1週間前後に行われるのが一般的ですが、術後しばらくは傷跡の赤みが気になることもあります。
- リスク・副作用
- 必ず生じるものとして、腫れや内出血、術後の痛み、傷跡が挙げられます。なお、傷跡は時間経過とともに目立ちにくくなるが、完全に消えるわけではありません。
- 感染や血種、傷の開き、傷跡、切開ライン周辺の眉毛の脱毛、左右差、引きつれ感、眉周辺の感覚の鈍化感染、意図しない二重ラインの形成などのリスクがあります。
- 注意点
- 執刀医の技術と経験が仕上がりに大きく影響するため、症例経験が豊富な形成外科専門医や美容外科専門医を選ぶことが非常に重要です。
- 仕上がりには個人差があり、状態によっては修正が難しい場合もあります。
医師選びは非常に重要ですが、MET BEAUTY CLINICでは、このような眉下リフト手術の経験が豊富な医師が在籍しております。
特に山崎医師は、多くの眉下リフトの症例を手掛けており、患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧なカウンセリングと繊細な技術に定評があります。
山崎医師による詳しい解説と症例はこちらのボタンからご覧いただけます。
3.2 切らずに改善:HIFUや糸リフトなどプチ整形の選択肢
「手術には抵抗がある」「ダウンタイムをあまり取れない」という方には、メスを使わない「プチ整形」がおすすめです。
ここでは、プチ整形の代表的な施術である「HIFU」「糸リフト」について解説します。
HIFU(ハイフ:高密度焦点式超音波)
HIFUは、皮膚の深層部に超音波エネルギーを照射し、熱凝固を起こさせることで組織を収縮させ、リフトアップ効果を狙う施術です。
- 効果・メリット
- おでこやこめかみに照射することで、眉周りの皮膚を引き締め、リフトアップ効果が期待できます。
また、熱ダメージに対する創傷治癒反応により、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されるため、肌のハリ・弾力、うるおいをアップできるのもこの施術のメリットです。
- ダウンタイム
- ダウンタイムはほとんどなく、施術直後からメイクも可能です。
ただし、人によっては軽い赤み、腫れ、鈍痛、筋肉痛のような感覚が数日〜1週間程度続くことがあります。
- リスク・副作用
- やけどやむくみ、ミミズ腫れ、まれに一時的なしびれや麻痺が出ることがあります。
出力や部位によっては施術中の痛みを感じる方もいます。
- 注意点
- リフトアップ効果は施術後1〜3か月で現れ、持続期間は3か月〜1年程度といわれていますが、効果の現れ方や持続期間には個人差があり、効果を維持するには定期的な施術が必要です。
- 機器の種類や照射方法、施術者の技術によって効果やリスクが異なるため、信頼できる医療機関で受けることが重要です。
糸リフト(スレッドリフト)
コグ(とげ)のついた特殊な糸を皮下に挿入し、そのコグを組織に引っ掛けて物理的にたるみを引き上げる施術です。
- 効果
- 眉尻の下がりやこめかみのたるみを引き上げることで、眉の位置を改善する効果が期待できます。
即時的なリフトアップ効果を感じやすいのがメリットです。
- ダウンタイム
- 施術後に腫れや内出血、痛み、引きつれ感、凹凸感などが出ることがあります。
通常1〜2週間程度で落ち着きますが、個人差があります。
また、洗顔やメイクは当日から可能な場合が多いですが、強く擦ることは避ける必要があります。
- リスク・副作用
- 感染、糸の露出・突出、アレルギー反応、左右差、ひきつれ感の長期化、凹凸感、効果が感じられない、まれに神経・血管損傷などの副作用が出ることがあります。
- 不自然な仕上がりや合併症のリスクがあります。
- 注意点
- 重度のたるみには効果が限定的な他、糸の素材や形状、挿入本数、挿入方法によって効果や持続期間、ダウンタイムが異なります。
- 不適切な挿入は不自然な仕上がりや合併症のリスクを高めるため、医師のデザイン力と技術が非常に重要です。
3.3 ボトックス・ヒアルロン酸注射で眉位置を調整する方法
注射によって、筋肉のバランスを調整したり、ボリュームを補ったりすることで、眉の位置や形を整える施術です。
ここでは、「ボトックス注射」「ヒアルロン酸注射」について解説します。
ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)
筋肉の動きを一時的に抑制する薬剤(ボツリヌストキシン)を注射する施術です。
- 効果・メリット
- 眉を引き下げる筋肉の働きを弱めることで、相対的に眉を引き上げ、眉をリフトアップさせる効果があります。
ダウンタイムがほとんどないため、気軽に受けられるのがメリットです。
- ダウンタイム
- 注射部位に小さな内出血が出ることがありますが、メイクでカバーできる程度です。
- リスク・副作用
- 内出血や腫れ、痛み、頭痛、アレルギー反応といった副作用が出ることがあります。
- 不適切な施術は眉が下がる、まぶたが重くなる、表情の不自然さ、左右差が出るなどのリスクがあります。
- 注意点
- 効果は永続的ではなく、3〜6ヶ月程度で徐々に薄れていくため、効果を維持するには定期的な注入が必要です。
- 神経筋疾患のある方、妊娠中・授乳中の方などは受けられません。
- 注入量や部位の調整が重要です。
不適切な施術は眉が下がる、まぶたが重くなる、表情の不自然さ、左右差が出ることがあります。
そのため、解剖学を熟知し、注入経験豊富な医師の施術を受けることが極めて重要です。
ヒアルロン酸注射
皮膚の構成成分でもあるヒアルロン酸をボリュームが不足している部分やリフトアップしたい部分に注射する施術です。
- 効果・メリット
- 眉上のくぼみやこめかみの凹みに注入することで、皮膚にハリを与え、間接的に眉の位置をサポートしたり、リフトアップして見せたりする効果が期待できます。
ダウンタイムが短くて即効性が高い他、ヒアルロン酸はすでに体内にある成分のため、人体との親和性が高いのがメリットです。
- ダウンタイム
- 注入後に軽い腫れや赤み、内出血が出ることがありますが、数日〜1週間程度で落ち着くことがほとんどです。
- リスク・副作用
- 内出血、腫れ、痛み、しこり)、アレルギー反応、感染といった副作用が出ることがあります。
- 非常にまれではあるものの、血管塞栓を起こすリスクがあります。
- 注意点
- 効果の持続期間は、使用するヒアルロン酸製剤の種類や注入部位、個人差によりますが、半年〜1年半程度が目安です。
- 注入技術やデザイン力が結果に大きな影響を及ぼします。
- 最も注意すべきなのが血管塞栓です。
血管塞栓とは、ヒアルロン酸が血管内に入り、血流を阻害することで皮膚壊死や失明などを引き起こします。
血管塞栓のリスクを最小限にするためにも、解剖学の知識と経験が豊富な医師を選ぶことが重要です。
3.4 美容皮膚科での最新治療例
この他にも、高周波(RF)治療器やレーザー治療、各種注入療法など、さまざまな治療法が存在します。
どの治療法が最適かは、個々のたるみの程度や肌質、骨格、希望する効果、ダウンタイムの許容度、予算などによって全く異なります。
流行りの治療法が必ずしも自分に合うとは限らないため、まずは信頼できる美容皮膚科や美容クリニックで専門医の診察を受け、ご自身の状態に合った治療法について相談しましょう。
4. 眉のたるみと上手に付き合うために
眉のたるみは、多くの方が経験する加齢のサインの1つです。
しかし、原因を理解し、ご自身に合った適切なケアをすることで、その進行を遅らせたり、改善したりすることは十分に可能です。
4.1 日常ケアとプロの力を併用して目元の若さをキープしよう
まずは、この記事で紹介した眉のたるみを改善・予防するセルフケアを、毎日の習慣として取り入れてみましょう。
セルフケアによるたるみの予防・改善は、美容医療の効果を長持ちさせるための基礎となります。
そして、セルフケアだけでは物足りなさを感じたり、より積極的かつ効果的な改善を望んだりする場合、美容医療の利用を検討するとよいでしょう。
大切なのは、ご自身の希望やライフスタイル、リスク許容度に合わせて、セルフケアと美容医療を賢く組み合わせることです。
4.2 悩んだら専門家へ相談を
「自分のたるみがどの程度なのか分からない」「どのケアや治療が自分に合っているのか知りたい」「視界にも影響が出ている気がする」など、少しでも不安や疑問を感じたら、1人で悩まず、早めに専門家に相談しましょう。
- 視界の狭さ、まぶたの重さ、見えにくさを強く感じる場合
- まずは眼科を受診し、眼瞼下垂などの疾患がないか、保険適用の治療対象となるか診断してもらうことをおすすめします。
- 老け見えや疲れ顔の解消など見た目の改善を主な目的とする場合、具体的な美容医療に関心がある場合
- 美容皮膚科や、皮膚科専門医・形成外科専門医が在籍する美容クリニックに相談しましょう。
経験豊富な医師が、あなたの状態を正確に診断し、セルフケアのアドバイスや最適な治療法を提案してくれます。
多くのクリニックで無料カウンセリングが実施されているため、まずは話を聞いてみることからはじめてみてください。
専門家への相談は、あなたの悩みを解決し、より良い未来へ進むための重要な第一歩です。
5 まとめ
今日からできる一歩と今後のケア計画
眉のたるみは、気づいたその時がケアを見直すタイミングであり、「もう遅い」ということはありません。
まずは、紫外線対策を徹底する、寝る前のスマホ時間をなくす、お風呂上がりに眉周りのストレッチをはじめるなど、今日からできる小さなことから始めてみませんか?
そして、ご自身のたるみの状態やライフスタイル、どうなりたいかという目標に合わせて、今後のケア計画を立ててみてください。
セルフケアを基本としながら、半年後〜1年後の自分の目元を想像し、必要に応じて信頼できるクリニックで美容医療の相談をしてみるとよいでしょう。
この記事が、あなたの眉のたるみに関する悩みを少しでも解消し、自信を持って毎日を過ごすための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
諦めずに、ご自身に合ったセルフケア方法を見つけていきましょう。