産婦人科医が教える膣のゆるみ改善法

公開日: 2024.06.25

最終更新日:2024.07.25

「尿漏れ」や「性交時の感度低下」といった悩みを引き起こす膣のゆるみ。
他人に相談しづらいデリケートゾーンの悩みだからこそ、「これって私だけ?」と不安に感じる事もありますよね。
こちらの記事では、婦人科の専門医として20年以上女性の身体の悩みや不調に向き合ってきたMET BEAUTY CLINICの福山院長監修のもと、以下のポイントをわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 膣のゆるみの原因
  • おうちでできる膣のゆるみ対策
  • クリニックにおける治療方法

膣がゆるんでいる状態とは?

膣の内側は粘膜に覆われており、その周りを骨盤底筋と呼ばれる筋肉に囲まれています。
そのため粘膜を構成するコラーゲンの減少や筋力の低下によって、顔や肌と同じようにゆるんだりたるんだりします。

膣のゆるみは性交時の感度低下だけでなく、日常生活において様々な問題を引き起こすため、以下のような症状に心当たりがある方は注意が必要です。

尿漏れ

膣の周りを囲んでいる骨盤底筋には、尿道や膀胱を支える役割もあります。
この骨盤底筋が弱ると尿道をうまく締められなくなり、くしゃみやせきなどでお腹に強い力(腹圧)がかかった瞬間に尿漏れを引き起こします。

他にも、重いものを持ち上げる瞬間や運動時(特にジャンプした瞬間など)に、じわっと漏れてしまうといった苦い経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
尿漏れの不安があると、花粉の時期や運動も嫌になってしまいますよね。

そんな日常のふとした瞬間の尿漏れが心配な方も、膣のゆるみ対策によって問題を改善できます。

膣に空気が入る(膣なら)

膣がゆるんでいると、中に空気が入ってしまうことがあります。
その空気が性交時や運動時に膣から出る際に、オナラのような音がなることから”膣なら”と呼ばれています。

オナラと違って膣ならは我慢することも難しいため、人前で恥ずかしい思いをしてしまい、それから性交や運動に対する苦手意識が芽生えてしまうことも。
パートナーや周りの方にも相談しづらいことなので、ほとんどの女性が膣ならの悩みを独りで抱え込んでしまう傾向にあります。

膣にお湯が入る

空気だけでなく、湯船に浸かった際のお湯が膣に入ってしまうこともあります。
このお湯が入浴後にドッと出てきてしまうと衣服や寝具を汚してしまうため、着替えたりお風呂に入りなおす手間が増えてしまいます。

温泉やプールでも同様のことが起きるため、せっかくの旅行を心から楽しめなくなってしまうことも。

性交時の感度低下

膣がゆるむと挿入時の密着度が下がるため、自分自身はもちろん、パートナーが感じられる刺激も弱くなってしまいます。
昔に比べてセックスに満足できない…パートナーとレス気味…という方は、心理的な理由以外にも身体的な変化が関係しているかもしれません。

骨盤臓器脱

膣がゆるむと、子宮や膀胱といった臓器が体外に出てしまう骨盤臓器脱(性器脱)を引き起こすリスクも高まります。
骨盤臓器脱の初期症状は、膣や股間に何かが挟まっているような違和感です。
この症状は一日中続くわけではなく、朝は症状がなくても夕方以降や運動をした後に症状を感じる方もいます。
これは、臓器が重力の影響を受けて徐々に下がっていくためです。

軽度の場合は膣トレによる対策が可能ですが、悪化して臓器が体外に出てしまった場合には手術が必要になるため、膣のゆるみを感じている場合は早めの対策が必要です。

膣のゆるみの主な原因

膣がゆるむ原因は、大きく分けて3つあります。

妊娠・出産

妊娠中は赤ちゃんや羊水による重量的な負荷が常に加わっているため、骨盤底筋が緩みやすい状態にあります。
また、出産時には赤ちゃんが通ることで膣壁が引き延ばされるため、どんなに安産であったとしても膣は緩んでしまいます。

さらに出産に時間がかかったり、産まれてくる赤ちゃんが大きかったりするような難産の場合は、膣にかかるダメージはより大きくなります。
何度も妊娠・出産を繰り返す多産の方や、鉗子分娩・吸引分娩を受けられた方も、膣が緩みやすい傾向にあります。
膣壁も骨盤底筋も、産後に少しずつ回復しますが、出産前と同じ状態に戻ることはほとんどありません。

腹圧によるもの

お腹に強い圧力(腹圧)がかかると、骨盤底筋がダメージを受けてしまいます。
たとえば以下のような日常の場面で腹圧がかかっています。

・花粉症やぜんそくでくしゃみやせきを繰り返す
・赤ちゃんを抱っこして歩く
・重いものを持ち上げる
・便秘でいきむ
・妊娠時の子宮の重さ
・肥満

上記のような理由で腹圧がかかる生活を続けていると膣が緩みやすくなり、尿漏れや膣ならといった悩みにつながります。

加齢によるエストロゲンの減少

加齢によって女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、膣の粘膜のコラーゲンが作られにくくなり、ハリや弾力が失われます。さらに膣壁のヒダも失われ、徐々に平坦になります。薄く硬くなった皮膚は柔軟性が低いため、性交時の密着感を感じづらくなったり、膣圧の低下にもつながります。

自宅でできる膣トレ方法

膣のゆるみ対策のファーストチョイスとして、医師も推奨する方法が「ケーゲル体操」です。
これはアメリカの産婦人科医アーノルド・ケーゲルが考案した骨盤底筋のトレーニング方法で、膣のゆるみや尿漏れ・骨盤臓器脱の予防になることがわかっています。

詳しい方法をご紹介するので、膣のゆるみが気になる方は早速試してみてください。

ゲーゲル体操のやり方

STEP1
おしっこを我慢するイメージで骨盤底筋にぎゅっと力を込める
STEP2
そのまま10秒間キープした後、10秒間ゆるめる
STEP3
20回1セットを1日3回行う

仰向けの姿勢で行う方法もありますが、基本的に骨盤底筋を動かす感覚さえつかめていればどんな姿勢でもかまいません。
スキマ時間で骨盤底筋を鍛え、膣を引き締めましょう。

クリニックでの治療方法

骨盤底筋を鍛えるケーゲル体操は、1日3セットを継続して行うことが推奨されています。
しかし、忙しいとつい忘れてしまうことも。
また、トレーニングの効果が出るまでには、ある程度の時間も必要となります。

ですから、少しでも早く膣のゆるみをケアしたい方には、クリニックでの治療もひとつの選択肢になります。
当院ではエムセラという骨盤底筋群を鍛える治療機器や、超音波による膣ハイフ、炭酸ガスレーザーによるモナリザタッチなど、お悩みの症状に合わせて最適な方法をご提案いたしております。

エムセラ

エムセラは、高密度焦点式電磁で骨盤底筋群の運動ニューロンを刺激し、筋肉トレーニングと同じような効果を得られる治療機器です。1回の施術でケーゲル体操の11,000倍の効果があります。服を着たままエムセラに座るだけで、痛みや出血のリスクがなく、ダウンタイムも必要ありません。

詳しくはこちら

ウルトラヴェラ(膣ハイフ)

ウルトラヴェラは高密度焦点式超音波という熱エネルギーにより膣粘膜に新しいコラーゲンを生み出させる治療方法です。コラーゲンによって膣に弾力が生まれ、厚くなることでゆるみを改善します。1回の施術で効果を実感される方も多い方法です。

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モナリザタッチ

モナリザタッチは、顔のエイジングケア治療において実績のある炭酸ガスレーザー技術を応用した治療方法です。レーザーを膣の粘膜や外陰部に照射することで萎縮した粘膜の血流を良くし、栄養機能が回復することでふっくらとした潤いのある粘膜に改善します。

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また当院では永続的な治療だけでなく、「膣トレの効果アップのために骨盤底筋の動かし方をつかむためにエムセラの施術を受けたい」といった方も来院されます。

実際に当院で治療した方からの反響はInstagramでも紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

MET BEAUTY CLINICのInstagramはこちら

どのような治療が適しているかは個人差があるため、当院では充分なカウンセリングの上で最適な方法をご提案させていただいております。

まずは気軽にご相談くださいね。

まとめ

膣のゆるみは人と比べにくい悩みだからこそ、誰に相談すべきか悩みますよね。

MET BEAUTY CLINICには、産婦人科の領域と美容医療の領域のプロが在籍しております。
膣のゆるみや尿漏れといった女性の特有の悩みは、院長でもある産婦人科医の福山が診察から治療、アフターケアまで一貫して担当いたしますので、ご安心ください。
女医ならではの視点と最新の技術を用いたオーダーメイド治療で、1人1人に寄り添った施術を行ってまいります。

どんな悩みも、まずは一度ご相談ください。
あなたにあった解決策をご提案させていただきます。

記事監修者

MET BEAUTY CLINIC
院長:福山 千代子

日本産科婦人科学会専門医。
20年以上にわたり女性特有の身体の悩みや不調に向き合い、更年期障害をはじめ、月経痛や月経前症候群(PMS)などの治療も 積極的に行っている。

日本産科婦人科学会・女性心身学会所属。